院内配水システムに潜む日和見感染菌Sphingomonas koreensis
Investigation of a Cluster of Sphingomonas koreensis Infections
背景
病院配水システムに由来する病原微生物の感染が問題となっている。National Human Genome Research InstituteのSegreらは、NIH臨床センターで2006〜2016年に同定された多剤耐性菌Sphingomonas koreensisの全ゲノムDNA配列決定分析の結果を報告している。
結論
2016年アウトブレークのクラスターで同定されたS. koreensisの6株中4株の間に99.92%を超える遺伝子類似性がみられ、複数の抗菌薬に対する耐性があった。保存Sphingomonasの後向解析により、過去10年間でクローン株が断続的に出現したことが確認された。S. koreensis分離株における特有SNPにより、同株が院内配水管システムに定着していることが明らかになった。
評価
2016年の院内感染アウトブレークの探索的調査の結論である。一見清潔な水の中にも潜みドレーン跳ね返り水からでも感染するが、この株に関しては加熱により滅菌できたという。