人工呼吸器不使用早産児の除痛に経口モルヒネは使えないか
Analgesic efficacy and safety of morphine in the Procedural Pain in Premature Infants (Poppi) study: randomised placebo-controlled trial
背景
早産児への処置に伴う痛みの管理に経口モルヒネを使ってよいか。英国University of OxfordのHartleyら(Poppi)は、人工呼吸器不使用の早産児(体重1501g未満、在胎週数34〜42週)の急性処置痛管理のための経口モルヒネ(100 μg/kg)投与の有効性・安全性を検証するRCTを行った(n=31、対照:プラセボ)。一次アウトカムは、未熟児網膜症(ROP)スクリーニング後の新生児の疼痛評価尺度(PIPP-r)スコアと踵穿刺侵害刺激誘起脳活動測定値である。
結論
モルヒネによる重度の呼吸抑制により試験は早期終結した。一次アウトカムに群間差はなかった。
評価
痛みを訴える言葉のない新生児を鎮痛するという重要で困難な問題で、すでに多数の試みがある。今回の結果も「経口100 μg/kgは呼吸抑制が強い」と解釈されるべきで、一切使ってはいけない、という禁忌エビデンスとは見られない。課題は未解決である。