診断困難患者のためのマルチオミクスネットワーク
Effect of Genetic Diagnosis on Patients with Previously Undiagnosed Disease
背景
ゲノミクスと メタボロミクスの進展は、今まで診断のつかなかった難病の系統的診断を可能にしている。Stanford UniversityのAshleyらは、このような目的のために創設した全米的Undiagnosed Diseases Network(UDN)の活動を報告している。2014年以後20ヶ月間に1,519名の患者が紹介され、601名を評価した。
結論
評価患者の32%はすでに診断困難症例としてエクソーム解析を受けていた。初発症状は40%が神経症状、10%が筋骨格症状、7%が免疫症状、7%が消化管症状、6%がリウマチ症状であった。統合評価を受けた382名の35%が確定診断に達した。確定診断に達した患者の21%は治療変更が推奨され、37%は診断検査が変更され、36%では変異特異的遺伝子カウンセリングが行われた。31の新規症候群が記載された。
評価
RNAプロファイリングやプロテオミクスまで含む包括的なもので、将来は特定の「研究所」を設立することなくバーチャル研究所で統合解析がなされることになろう。現在重要問題になっているAFMでは、解析にAIが導入されている、という(https://www.nature.com/articles/d41586-018-07631-3)。