ADPKDへのランレオチド有効性を否定
Effect of Lanreotide on Kidney Function in Patients With Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease: The DIPAK 1 Randomized Clinical Trial
背景
常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎(ADPKD)患者に対し、ソマトスタチン・アナログ(SSA)ランレオチドが有効であることを示唆する小規模研究がある。オランダUniversity Hospital GroningenのMeijerら(DIPAK-1)は、重症ADPKD患者305名を対象としてこれを検証するRCTを行なった(対照:標準治療のみ)。一次アウトカムはeGFRの年変化率である。
結論
ランレオチドの一次アウトカム有効性は示されなかった。腎機能悪化・eGFR絶対変化・QOLに関しても有意差はなかったが、腎容積の増加率は 介入群が低かった。
評価
患者の腎尿細管でAMPが増加することが知られており、動物実験でそれを抑制するランレオチドの有効性が示されたものの、先行臨床研究では結論が明確でなかった。この方向の探求に一応のストップをかける否定結果である。