HIV予防に期待のテノフォビル・ジェル、第III相は失敗
Tenofovir 1% vaginal gel for prevention of HIV-1 infection in women in South Africa (FACTS-001): a phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
アフリカの若い女性はHIV感染リスクが高く、感染拡大防止のために性交渉前後に塗布する予防ジェルの開発が試みられてきた。 南アフリカUniversity of the WitwatersrandのMoretlweら(FACTS-001)は、同国9地域でTenofovir 1% vaginal gelの効果・安全性を検証する第III相試験を行った(対照:placebo、n=2,029)。一次有効性アウトカムはHIV感染、一次安全性アウトカムはgrade2-4有害事象の発生である。
結論
Tenofovirジェルの一次アウトカム効果は確認できなかった。有害事象に群間差はなかった。
評価
後期第II相試験ではHIV獲得リスクを39%も低下させており、期待されたが失敗した。Lancet Editorialはアドヒアランスの低さに起因することを示唆しており、アプローチを変えて試みられる可能性も残っているようである。