アメリカ病院の医療関連感染の現状
Changes in Prevalence of Health Care-Associated Infections in U.S. Hospitals
背景
CDCは2011年に全米の病院で医療関連感染(HCAI)の時点有病率調査を行い、入院患者の4%という衝撃的な数値を示した。同センターのMagillらは、2015年の再調査結果(患者数12,299名[199施設])を報告している。調査対象には前回調査施設を優先した。
結論
2015年のHCAI例(394)は2011年(452例)より有意に少なく、これは主に手術部位感染と尿路感染症の有病率低下によるものであった。有病率が高かったのは、肺炎・消化器感染症(大半はC. difficile)・手術部位感染であった。多因子調整後、患者のHCAI罹患リスクは2011年から2015年にかけて16%低下した。
評価
アメリカでは今世紀に入ってこの問題が強く意識され、メディアと保険者が強い圧力をかけた(https://academic.oup.com/cid/article/46/11/1746/376174)。特にカテーテル因UTIの防護努力が強調されており、効果がみられているようである。ただしC diff感染症は減っておらず、次の大きな課題となっている。