1型未熟児網膜症予防のためのミオイノシトールは有害無益
Effects of Myo-inositol on Type 1 Retinopathy of Prematurity Among Preterm Infants <28 Weeks’ Gestational Age: A Randomized Clinical Trial
背景
Cochraneメタアナリシスは ミオイノシトール補給が未熟児網膜症(ROP)予防に有望としたが、RCTベースの強化を求めた。University of RochesterのPhelpsらは、胎齢28週未満の新生児638名(予定対象者数1,760)を対象としてこれを検証するRCTを行った。対象児を10週間、12hごとにミオイノシトール投与を行う介入群(n=317)とプラセボ群(n=321)に割り付けた。有益性一次アウトカムは1型ROPの発症無しでの生存、無益性一次アウトカムはROP発症または発症前死亡である。
結論
ミオイノシトール群で無益性一次アウトカムが有意に多く、試験は早期に中止された(調整リスク差7%)。重度有害事象(壊死性腸炎・灌流障害・低血圧・脳室内出血・全身感染症・呼吸困難等)も介入群が多いとみられた。
評価
Mayoによる2016年のメタアナリシスは、エビデンスのあるROP予防法はまだ見当たらないとしている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26962240)。この方法は簡明で期待されたが、失敗した。