ミノサイクリンの統合失調症への効果確認RCTが失敗
The benefit of minocycline on negative symptoms of schizophrenia in patients with recent-onset psychosis (BeneMin): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
神経保護作用や抗炎症作用を有するミノサイクリンが統合失調症の陰性症状に有効である、とする報告がある。英Manchester UniversityのDeakinら(BeneMin)は、5年以内に陽性症状を発症した207名の同患者を対象として、この効果を検証するRCTを行った(対照:placebo、n=207)。一次臨床アウトカムは陰性症状改善(PANSS陰性尺度)であり、一次バイオマーカーアウトカムは前前頭皮質灰白質体積等である。
結論
ミノサイクリンの一次臨床・バイオマーカー効果は認められなかった。安全性にも対照との差はなかった。
評価
この効果は著者らのグループがRCTで報告したもので(http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0269881112444941)、今回のRCTと規模にもそれほどの差はない。後続データも出ており、確定検証を試みたものだが失敗し、この種のRCTの難しさを示すものとなった。


