アスピリンは健康な高齢者の全死因死亡リスクを非有意に上げる
Effect of Aspirin on All-Cause Mortality in the Healthy Elderly
背景
Aspirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)試験はNEJMに3論文を併載している。オーストラリアMonash UniversityのMcNeilらは、二次エンドポイントである全死因死亡に関する結果を報告している(n=19,114)。
結論
追跡期間中央値4.7年で、死亡は1,052件発生した。アスピリンは統計的非有意に二次エンドポイントリスクが高かった。その主要寄与因子は癌で、超過死亡は1,000人年あたり1.6件であった。
評価
NEJMはアスピリンの一次予防効果を否定した4論文を併載しており、決定的である。LancetのARRIVEでは結果解釈に含みをもたせていたが、NEJMのASPREE3結果は含みなくネガティブである。また、同じNEJMのASCENDは「DM患者のがん一次予防効果はない」としたが、ASPREEは「一応健康そうな老人でがんリスクが上がる可能性がある」と示唆した。