カルバペネム系抗菌薬の温存は困難?
Effect of Piperacillin-Tazobactam vs Meropenem on 30-Day Mortality for Patients With E coli or Klebsiella pneumoniae Bloodstream Infection and Ceftriaxone Resistance A Randomized Clinical Trial
背景
Extended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌の出現を防ぎつつカルバペネム系薬を温存するために、セフトリアキソン(CTRX)耐性大腸菌・肺炎桿菌の治療にピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ)を代用することはできるか。オーストラリアUniversity of QueenslandのHarrisらは、血中CTRX耐性大腸菌・肺炎桿菌が検出された患者を対象としてPIPC/TAZをmeropenem(MEPM)と比較するRCTを行った(n=391)。一次アウトカムは30日後死亡、非劣性マージンは5%である。
結論
PIPC/TAZのMEPMに対する一次アウトカム非劣性は認められず、むしろ死亡率が高かった。現在、PIPC/TAZのこの用法は推奨されない。
評価
β-Lactam/β-lactamase inhibitor(BLBLI)コンビネーションによる代替の有益性が示唆されていたため行われた本格検証だったが、失敗した。著者らが、より新しいBLBLIを試みる価値はあると示唆している一方、JAMA EditorialはAI的アプローチの可能性を示唆している。