妊娠中の血小板減少はどの程度なら要精検か
Platelet Counts during Pregnancy
背景
妊娠時の血小板減少症に関しては病因も病態も不詳である。 University of OklahomaのReeseらは、同施設で出産した女性7,351名に関するデータを非妊娠女性8,885名のデータと比較した。
結論
合併症のない妊娠女性で第1三半期の平均血小板数は251,000/mm3で、非妊娠女性平均より少なかった(273,000/mm3)。出産時には、無合併症妊娠女性の9.9%が血小板数150,000/mm3未満であった。無合併症妊娠・出産過程で血小板数100,000/mm3以下となった女性は1.0%だけであった。無合併症妊娠女性で血小板数80,000/mm3未満の患者12名中で、血小板減少症の原因が認められなかったのは5名のみだった。妊娠関連合併症保有女性は、無合併症女性より出産時血小板数が150,000/mm3未満であることが多かった。妊娠関連合併症保有女性の2.3%は血小板数100,000/mm3未満、1.2%が80,000/mm3未満であった。
評価
妊娠時の血液検査結果でしばしば問題になる現象で、正確なコンサルテーションのための基礎データを再確認した。マイルドな減少は心配ないが、100,000/mm3を切ると精密検査が要る、という主流的見解を裏書きした。