腹部大手術での制限的輸液は有害無益?
Restrictive versus Liberal Fluid Therapy for Major Abdominal Surgery
背景
ガイドラインは腹部大手術時の制限的輸液戦略を推奨しているが、大規模RCTエビデンスがない。オーストラリアAlfred HospitalのMylesら(RELIEF)は、この問題を検証するプラグマティック国際RCTを行った(n=3,000)。患者は腹部大手術の合併症高リスク者で、術後24時間の制限的輸液群と非制限的輸液群に割り付けた。一次アウトカムは、術後1年時点での無障害生存である。
結論
一次アウトカムで両群間に有意差を認めなかった。AKI発生率で制限的輸液が劣った(8.6% vs. 5.0%)。他の二次アウトカムでは有意差はなかった。
評価
制限的輸液戦略は最近主流化される傾向があったが、衝撃的な無益結果である。重要な問題であり、この研究自体には懐疑的意見も多いが再検討が行われるだろう。