自己免疫性甲状腺炎はうつ病や不安障害と関連する
Association of Depression and Anxiety Disorders With Autoimmune Thyroiditis: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
自己免疫性甲状腺炎(AIT)において精神症状がみられることがあり、相当数の研究が集積されている。ドイツFriedrich-Alexander University Erlangen-NurembergのGromerらは、AITとうつ病・不安障害との関連を検討する系統レビュー・メタ解析を行った(n=36,174)。
結論
AIT・橋本病・潜在性または顕性甲状腺機能低下症患者では、標準化うつ尺度のスコアが有意に高く、オッズ比は3.56であった。同様に、不安障害のオッズ比は2.32であった。
評価
19論文・42患者集団に関する質的研究も含む研究を量的スコアで斉一化してオッズ比を求める、という方法による初めてのメタアナリシスである。異質性と出版バイアスも認められているが、関連は堅固という。うつや不安の患者ではAITも疑ってみる、という臨床知ももたらしている。