COPD患者は1日1回ステロイド・LAMA・LABAをトリプル吸入?
Once-Daily Single-Inhaler Triple versus Dual Therapy in Patients with COPD
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対し、ステロイド・長時間作用性抗コリン薬(LAMA)・長時間作用性β2 刺激薬(LABA)の3剤併用1日1回吸入療法が開発され、すでにFDA承認されている。GlaxoSmithKlineのLipsonら(IMPACT)は、それを2種の2剤併用療法(ステロイド・LABAまたは LAMA・LABA)と比較したRCT結果を報告している(n=10,355)。一次アウトカムは、治療期間中の中等度または重度のCOPD増悪の年間発生率である。
結論
3剤併用の、両2剤併用への優位を確認した(率比:[対ステロイド・LABA] 0.85; [対LAMA・LABA] 0.75)。入院に至った重度増悪の年間発生率も3剤併用療法群が低かった。吸入ステロイド使用群は肺炎発生率が非使用群より高かった(HR:1.53)。
評価
LAMA・LABAで十分でステロイドは要らない、という主流見解にチャレンジする結果で、重要である。NEJM Editorialは、珍しく研究デザインまで遡って掲載論文を批判している。論争的結果であり、市場化後確認試験が必要となろう。