ゲイツ財団が支援してサブサハラアフリカ乳幼児に抗菌薬を「予防的」に投与?
Azithromycin to Reduce Childhood Mortality in Sub-Saharan Africa

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2018
378
開始ページ
1583

背景

サブサハラアフリカでの乳幼児死亡率を低下させるためには、腸管・呼吸器を中心とする細菌感染症に対する抗菌薬による「予防」が有効かもしれない。UCSFのKeenanら(MORDOR)は、この仮説を検証するRCTを行った。1,533コミュニティの乳幼児190,238名を対象としてアジスロマイシンまたはプラセボを年2回・全4回経口投与した。一次アウトカムは全原因死亡率である。

結論

年間死亡率はアジスロマイシン群が有意に13.5%低く、これには地域差があった(ニジェールで最大)。この効果は1〜5ヶ月の乳児で最大であった(24.9%低下)。有害事象に群間差はなかった。耐性問題の評価は進行中である。

評価

ゲイツ財団がファンドした大胆・大規模なRCTである。抗菌薬の「予防的」使用という問題の多いアプローチだが、有効性を示した。耐性問題の確認が必要であり、WHOは来年結論を出すという(https://www.npr.org/sections/goatsandsoda/2018/04/25/605741439/giving-antibiotics-to-healthy-kids-in-poor-countries-good-idea-or-bad-idea)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell