ゲイツ財団が支援してサブサハラアフリカ乳幼児に抗菌薬を「予防的」に投与?
Azithromycin to Reduce Childhood Mortality in Sub-Saharan Africa
背景
サブサハラアフリカでの乳幼児死亡率を低下させるためには、腸管・呼吸器を中心とする細菌感染症に対する抗菌薬による「予防」が有効かもしれない。UCSFのKeenanら(MORDOR)は、この仮説を検証するRCTを行った。1,533コミュニティの乳幼児190,238名を対象としてアジスロマイシンまたはプラセボを年2回・全4回経口投与した。一次アウトカムは全原因死亡率である。
結論
年間死亡率はアジスロマイシン群が有意に13.5%低く、これには地域差があった(ニジェールで最大)。この効果は1〜5ヶ月の乳児で最大であった(24.9%低下)。有害事象に群間差はなかった。耐性問題の評価は進行中である。
評価
ゲイツ財団がファンドした大胆・大規模なRCTである。抗菌薬の「予防的」使用という問題の多いアプローチだが、有効性を示した。耐性問題の確認が必要であり、WHOは来年結論を出すという(https://www.npr.org/sections/goatsandsoda/2018/04/25/605741439/giving-antibiotics-to-healthy-kids-in-poor-countries-good-idea-or-bad-idea)。