持続する重度の産後うつ病は子供の発達に影響する
Association of Persistent and Severe Postnatal Depression With Child Outcomes
背景
産後うつ病(PND)は子供に様々な悪影響を及ぼしうる。イギリスUniversity of OxfordのSteinらは、Avon Longitudinal Study of Parents and Children登録者を対象として、PNDの重症度・持続性と子供の行動障害・数学の成績・うつ病との関連を検討した(PND:女性 n=9,848、子供 n=8,287)。PNDの重症度は、エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPSD)により中等度(13-14点)・著明(15-16点)・重度(17点以上)に分類した。
結論
持続性の如何に関わらず、PNDは子供の行動障害のリスクを倍増させた。子供の行動障害のオッズ比は、中等度PND女性で2.22、著明なPND女性で1.91、重度PND女性で2.39であった。持続する重度PNDは子供の発達に特に重要であり、3.5歳時の行動障害、16歳時の数学の成績低下、18歳時のうつ病のリスクを大幅に上昇させた。
評価
PNDは重要な問題で予防方策の研究も多いが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27184772)、患者の子の発達障害を予防する方策の研究は未だ少ない。