市販薬の1/4は腸内細菌叢を擾乱する
Extensive impact of non-antibiotic drugs on human gut bacteria

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
Nature
年月
March 2018
555
開始ページ
623

背景

抗菌薬による腸内細菌叢の擾乱効果が周知されているが、一般薬にも同様な効果がある、とする注目すべき研究が発表された。ドイツEuropean Molecular Biology LaboratoryのMaierらによるもので、40の代表的ヒト腸内細菌種の培養系を構築し、1,079種のFDA承認市販薬の効果を検討した。

結論

全市販薬の24%が、試験管内で少なくとも1株の発育を阻害した。特に抗精神病薬類にこの効果が強かった。

評価

一般薬の腸内細菌叢への影響に関し、metformin・PPI・NSAIDs・AAPs等で報告が続いているが、この研究は広汎・高信頼度であり、メディアにも広く取り上げられた。著者らは「24%」という推定を過少評価であろうとしている。試験管内・生体内ともに更に徹底的な検討を呼びかけるメジャーな発端研究となった。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell