ジカウイルス感染による胎児・新生児障害:南米仏領国のデータを統合
Pregnancy Outcomes after ZIKV Infection in French Territories in the Americas
背景
ジカウイルス(ZIKV)感染症はブラジルでの爆発から2年が経ち、先天性神経疾患発症リスクのデータが固まってくる段階に達している。フランスINSERMのHoenらは、2016年3〜11月にRT-PCRでZIKVへの感染が証明された妊婦546名に対する前向研究を行った。
結論
2.0%は流産であった。小頭症は5.8%で発生し、1.6%は重度であった。また、5.0%にその他の中枢神経系障害が見られた。全体的には7%の胎児・新生児に神経障害・眼障害があり、その発生率は妊娠第1期に高かった(12.7%)。第2期は3.6%、第3期は5.3%だった。
評価
ブラジル以外の仏領南米国のデータを統合したもので、ブラジルからの報告よりは相当少なく、未だ結論は収束していない。また、長期的な認知機能障害などの問題は未知である。