超早産児の気管支肺異形成症への吸入ブデソニドは無益?
Long-Term Effects of Inhaled Budesonide for Bronchopulmonary Dysplasia
背景
超早産児の気管支肺異形成症(BPD)の予防・治療のための吸入ステロイド使用の有効性・安全性(特に神経発達に及ぼす長期影響)は。スイスUniversity of ZurichのBasslerら (NEuroSISN)は、863名の在胎期間23〜27の超早産児を対象として、出生後24時間以内の吸入ブデソニド使用の効果と長期影響を検証するRCTを行った(対照:placebo)。一次アウトカムは死亡またはBPD発症、二次アウトカムは生存児における神経発達障害である。
結論
死亡率においてブデソニドの劣性を認めた(aRR:1.37)。2歳時点での神経発達障害に有意差はなかった。
評価
この方法によりBPD罹患率は軽減されるものの死亡率が高い、という難しい結論を出した臨床試験(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1501917)の長期報告である。神経発達障害を否定したが、この方法の積極的採用を担保できたものではない。