複雑UTIへの新しいオプションmeropenem-vaborbactam登場
Effect of Meropenem-Vaborbactam vs Piperacillin-Tazobactam on Clinical Cure or Improvement and Microbial Eradication in Complicated Urinary Tract Infection: The TANGO I Randomized Clinical Trial
背景
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)による尿路感染症(UTI)への最適治療は。University of MichiganのKayeら(TANGO I)は、複雑性UTI患者550名を対象として、meropenem-vaborbactam(β-ラクタム系抗菌薬meropenemとβ-ラクタマーゼ阻害薬vaborbactamの合剤)の効果をpiperacillin-tazobactamと比較する第III相試験を行った。FDAの一次エンドポイントは総合的治療成功(臨床的治癒・改善と起因菌根絶の複合)、EMAの一次エンドポイントは起因菌根絶である。
結論
FDA・EMAの両一次エンドポイントに関し、meropenem-vaborbactamの非劣性を認めた。有害事象はmeropenem-vaborbactam群で39.0%に、piperacillin-tazobactam群で35.5%に発生した。
評価
MDRGNに対する新しいオプションであり、すでにFDA承認されている(http://www.medicalonline.jp/news.php?t=fda&m=drug&date=2017&file=20170829-FDAP-6A.csv)。Metallo-β-lactamases・oxacillinases産生種にはあまり有効でないと言われ、日本での適応は別に検討されるべきである。