脊髄性筋萎縮症(SMA)にアンチセンス薬ヌシネルセン登場
Nusinersen versus Sham Control in Later-Onset Spinal Muscular Atrophy
背景
有効療法に欠けていた脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するアンチセンス薬の有効性が示された。責任遺伝子SMN2のmRNA前駆体スプライシングを修飾するヌシネルセンで、エクソンインクルージョンによりSMNタンパク質の発現を増加させる。イタリアUniversita Cattolica del Sacro CuoreのMercuriら(CHERISH)は、126名の罹患男児を対象として行われた第III相試験の結果を発表している(対照:シャム処置)。一次エンドポイントは、治療15ヶ月時点におけるHFMSスコアの改善である。
結論
ヌシネルセンの一次エンドポイント効果を確認し(+4.0点 vs. -1.9点)、試験を早期終結した(最終解析でも同様)。有害事象にも有意差はなかった。
評価
印象的なアンチセンス薬の有効結果で、FDAは2016年末に既に承認しており、日本でも2017年に承認された。早期治療児の方が有効であるとみられる、という。