HCV感染治療は簡明化された
Glecaprevir-Pibrentasvir for 8 or 12 Weeks in HCV Genotype 1 or 3 Infection
背景
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症に対する抗ウイルス薬治療法は、簡明化されてきている。ドイツUniversity Hospital FrankfurのZeuzemらは、1・3型感染患者を対象として、グレカプレビル(NS3/4A protease阻害薬)+ピブレンタスビル(NS5A阻害薬)(G・P)合剤 の8週・12週投与の有効性・安全性を検証する第III相試験を行った(n=1,208、対照:ソホスブビル・ダクラタスビル)。一次エンドポイントは、治療後12週におけるウイルス排除反応(SVR)率である。
結論
G・P合剤を使用した1型感染患者での8週・12週のSVR率は99.1%・99.7%で、差はなかった。3型感染患者ではG・P合剤の8・12週でのSVR率は95%・95%で、ソホスブビル・ダクラタスビルと同等だった。治療中止率はすべて1%以下であった。
評価
NEJMは昨年、同薬が腎機能障害患者に12週使っても有益であることを示した報告を掲載している(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1704053)。1・3型感染患者はウイルス負荷とも無関係に合剤を8週服むだけでよい、というここでの結果は、現時点で最高度の単純化を達成したものとみられる。