書くことによる曝露(WET)療法はPTSDに有効
A Brief Exposure-Based Treatment vs Cognitive Processing Therapy for Posttraumatic Stress Disorder: A Randomized Noninferiority Clinical Trial
背景
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療として、書くことによる曝露療法(WET)が有効であるとされるが、認知処理療法(CPT)などとの直接比較はなされていない。Veterans Affairs Boston Health Care SystemのSloanらは、退役軍人を含むPTSD患者を対象に、CPTに対するWETの非劣性を検証するRCTを行った(WET群:n=63、CPT群:n=63)。一次アウトカムはDSM-5 PTSD臨床診断面接尺度の合計点であり、ベースライン、6、12、24、36週後に評価した。
結論
WET群におけるPTSD症状の改善は、すべての評価時点でCPT群における改善に対し非劣性であった。治療間の差は24週目で最大であった(平均差4.31点)。CPT群と比較して、WET群では脱落者が有意に少なかった(6.4% vs. 39.7%)。
評価
CPTが12セッションであるのに対しWETは5セッションと少ないにもかかわらず、PTSD症状の軽減はWETが非劣性を示している。患者にとっても医療者にとっても時間効率の良い治療法でもある。