片側痙性上肢麻痺に対側C7神経移行術
Trial of Contralateral Seventh Cervical Nerve Transfer for Spastic Arm Paralysis
背景
脳損傷による四肢の痙性麻痺は、長期化すれば治療困難である。中国Fudan UniversityのXuらは、慢性脳損傷による片側上肢麻痺を5年以上有する患者を対象に、対側第7頚椎神経移行術の効果を検証するRCTを行った(神経移行術+リハビリ:n=18、リハビリ単独:n=18)。一次エンドポイントは、Fugl-Meyer上肢機能尺度総スコアのベースラインから12ヶ月時点までの変化である。
結論
手術の有効性を確認した。麻痺上肢のFugl-Meyer尺度の平均増加は17.7 vs. 2.6であった。修正Ashworthスケールによる痙縮の改善でも有効性を認めた。経頭蓋磁気刺激法および機能イメージングで、同側脳半球と麻痺上肢の間に再結合を認めた。
評価
ブレークスルーとなりうる結果である。NEJM Editorialは、「エキサイティングだが、本当に再結合は起こったのだろうか」と疑問を呈している。著者らも大コホートでの追試を要請している。