排卵のある不妊女性への凍結胚移植は支持されるか
Transfer of Fresh versus Frozen Embryos in Ovulatory Women

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
January 2018
378
開始ページ
126

背景

排卵のある不妊症女性への凍結胚移植は生児出生率を上げ得るか。中国Shandong UniversityのShiらは、1サイクル目の体外受精を受ける女性2,157名を対象とするRCTを行った(対照:新鮮胚移植)。一次アウトカムは、初回胚移植後の生児出生である。

結論

生児出生率について、凍結胚群と新鮮胚群との間に有意差は認められなかった。着床率・臨床的妊娠率・全流産率・妊娠継続率についても、群間差はなかった。凍結胚移植では、新鮮胚移植よりも卵巣過剰刺激症候群リスクが低く(0.6% vs. 2.0%)、その他の有害アウトカムでも群間差はなかった。

評価

多嚢胞性卵巣症候群の無排卵女性に対する推奨技法の適応拡大の可能性を検討した。NEJMは同じ主題の2論文を併載しており、ベトナムからのものは基本結果は同じだが(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1703768)、中国からの論文と異なりOHSSの低減はなく、「凍結胚が良いわけではない」という結論となっている。微妙な状況である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell