低レベル大気汚染の死亡リスクを測る
Association of Short-term Exposure to Air Pollution With Mortality in Older Adults
背景
アメリカにおける現行の大気汚染基準レベル以下の汚染の死亡リスクはどの程度か。Harvard T.H. Chan School of Public HealthのDiらは、全メディケア人口についてケースクロスオーバー研究を行った。
結論
全調査対象者の93.6%の曝露PM2.5レベルは25 μg/m3以下であり、死亡の95.2%が発生していた。また、同じく91.1%の曝露オゾンレベルは60 ppb以下であり、死亡の93.4%が発生していた。1日あたり10 μg/m3のPM2.5増加と1日あたり10 ppbの温暖期オゾン増加は、それぞれ1.05%・0.51%の死亡率上昇と関連していた。曝露‐反応関係に関する閾値のエビデンスはなかった。
評価
アメリカZIPコードエリアの93%を13年間カバーし、2,200万の死亡を数えた徹底的研究である。長期曝露結果がすでに発表されており(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1702747)、これは短期曝露結果である。著者らは、具体的には「夏場に一日のPM2.5が1 μg/m3増えると全米で死亡者が年550人増える」と例示している。