小児の急性呼吸器感染症に広域スペクトラム抗菌薬は無益
Association of Broad- vs Narrow-Spectrum Antibiotics With Treatment Failure, Adverse Events, and Quality of Life in Children With Acute Respiratory Tract Infections
背景
アメリカでは、小児の急性呼吸器感染症に抗菌薬が処方される場合、広域スペクトラム薬が選好される傾向が出てきている。Children’s Hospital of PhiladelphiaのGerberらは、同罹患小児患者30,159名を対象とする後向コホート研究を行った。
結論
急性中耳炎(63%)・A群連鎖球菌感染症(23%)・急性副鼻腔炎(13%)の患者の14%が、アモキシシリン・クラブラン酸・セファロスポリン・マクロライドを含む広域スペクトラム抗菌薬を処方されており、他は狭域だった(ペニシリン・アモキシシリン)。治療失敗率に有意差がない一方、広域スペクトラム抗菌薬では臨床的有害事象が有意に多く(3.7% vs. 2.7%)、QOLもわずかに低かった。
評価
日本では比較しうる大規模検証が未だ行われていないようである。