米NFL選手はALS発症・死亡リスクが一般男性の4倍
Incidence of and Mortality From Amyotrophic Lateral Sclerosis in National Football League Athletes
背景
米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手には神経変性疾患が多発するというデータがある。Harvard Medical SchoolのDaneshvarらは、1960〜2019年にデビューし、最低1度公式試合に出場したNFL選手19,423名を対象として、選手における筋萎縮性側索硬化症(ALS)発症・死亡発生(一次アウトカム)を検討する人口集団ベースコホート研究を行った。
結論
調査期間中選手38名がALS診断を受け28名が死亡した。マッチングを行った米国一般男性コホートと比較して、選手集団のALS発症リスクは有意・顕著に高く(標準発生比, 3.59)、死亡リスクも高かった(標準発生比 3.94)。また、ALS診断を受けた選手はそうでない選手より長い選手キャリアがあった(OR 1.2)。人種・出身地・ポジション・BMIなどとの関連はなかった。
評価
2012に発表された 3,439名の選手対象のCDC研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22955124/)を大規模化して尤度を格段に上げた研究で、米メディアで多数採り上げられている。 TBIや反復頭部インパクト(RHIs)の影響が考えられる。なお、CDC研究が示唆していたアルツハイマー病との関連には言及されていない。


