理学療法でTKR後の長期オピオイド使用リスクを低減
Association of Physical Therapy Interventions With Long-term Opioid Use After Total Knee Replacement
背景
人工膝関節置換術(TKR)前後の理学療法(PT)は術後の長期オピオイド使用リスクを低減するか。Boston University のKumarらは、OptumLabs Data Warehouseデータに基づき、40歳以上の同患者67,322名を対象に、これを検討する後向コホート研究を行った。主要アウトカム・指標は、TKR 前後PTと術後90日以上におよぶ長期オピオイド使用リスクとの関連である。
結論
TKR前PT利用は如何なる形態でも一次アウトカム効果があった(aOR: 0.75)。TKR後のPT利用は、オピオイド使用既往者で一次アウトカム効果があった(0.75)。受療回数増・早期受療も有効であったが、PTにおける患者の受動性/能動性は一次アウトカム効果と関連しなかった。
評価
TKR後の早期PT開始は機能・疼痛改善とも関連するとも報告されているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25765128/)、術後オピオイド長期化リスクは術前からの常用者で最も高いとも報告されている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29198871/)。著者らは、ランニングや筋トレのような能動的PTとマッサージなどの受動的PTに差がなかったことを予想外としている。


