青年肩関節不安定症:直視下Latarjet法は短期アウトカムで鏡視下Bankar修復術に優る
Arthroscopic Bankart versus open Latarjet as a primary operative treatment for traumatic anteroinferior instability in young males: a randomised controlled trial with 2-year follow-up
背景
外傷性肩関節不安定症に対し、鏡視下Bankar修復術と直視下Latarjet法のどちらが再発率は低いか。フィンランドTYKS Turku UniversityのKukkonenらは16〜25歳の外傷性肩関節不安定症患者122名を鏡視下Bankar修復術群(B群)と直視下Latarjet法群(L群)に割り付ける多施設RCTを行った。一次アウトカムは2年フォローアップ期間中の再発である。
結論
一次アウトカムにおける直視下Latarjet法の優位を認めた。L群と比べB群は2年以内再発が有意に多く(2%vs. 21%)、B群での9%に対し、L群では56%が以前と同等の競技能力まで復帰が可能だった。
評価
直視下Latarjet法の治療成績の方が良好であるとの報告(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26809355/)はこれまでもあったが、両術式を同時比較したRCTはこれが初である。他方、長期成績はBankar修復術の方が優れているとの報告もある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32579397/)。


