大腸癌サバイバーの積極的身体活動の長期効果
Longitudinal Associations of Sedentary Behavior and Physical Activity with Quality of Life in Colorectal Cancer Survivors
背景
大腸癌(CRC)サバイバーにも積極的身体活動が推奨されるようになっている。 オランダMaastricht UniversityのKenkhuisらは、Energy for Life After ColoRectal Cancer(EnCoRe)登録、ステージI-IIIのCRCサバイバー396名を対象として、長期身体活動の効果を検討する前向コホート研究を行った。患者に診断から治療24ヵ月後まで5度自宅訪問を行い、座位行動(SB)、中等度から強度の身体活動(MVPA)とHRQoL・ 化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)・疲労との関連を検討した。
結論
治療6週間での平均SB時間は1日5.3時間で、82%の患者は十分な身体活動を行っていた(MVPA: 週150分以上)。低SBと高MVPAの増加は独立して経時的HRQoL・疲労の改善と関連したが、CIPNとの関連はなかった。低SB・高MVPAと比べ、高SB・低MVPAの患者(SB:4.9時間以上、MVPA週7時間以下)は、身体機能低下を示した。
評価
この方向性を牽引するグループの最新研究で、先行研究では身体活動の抗炎症効果、という作用機序を示唆している(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34215757/)。