1日5分の高強度吸気筋トレ(IMST)で高血圧を改善?
Time‐Efficient Inspiratory Muscle Strength Training Lowers Blood Pressure and Improves Endothelial Function, NO Bioavailability, and Oxidative Stress in Midlife/Older Adults With Above‐Normal Blood Pressure

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Journal of the American Heart Association
年月
July 2021
10
開始ページ
e020980

背景

高強度吸気筋トレーニング(IMST)は高血圧改善に有効か。University of Colorado BoulderのSealsらは、収縮期血圧が120以上の50〜79歳36名を対象としてIMSTが血圧・内皮機能、動脈硬化を改善するかを検討するDBRCTを行った。介入群には高強度のIMST(1日30呼吸/週6日/6週間:最大吸気圧の75%)、コントロール群には低強度のシャムトレーニング(最大吸気圧の15%)を行った。

結論

IMST群でのみ随時収縮期血圧が135mm Hgから126mm Hgに有意に低下し、介入後もおよそ75%が維持されたが、随時拡張期血圧の低下は有意でなかった。上腕動脈FMDもIMST群でのみ45%改善した。IMST実施者はCRP値が低下して血漿メタボロミックプロファイルが改善、さらに実施者血清でヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を培養すると、NO利用の増加等がみられた。

評価

同手法は呼吸筋改善手法として古典的だが、高血圧治療への応用は初めてである。有望なパイロット結果を出して、すでにNIHから$4Mを得て100名規模の臨床試験が開始されている。家庭でできるスマホアプリも開発中であるという。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy