唾液中多miRNAのSCRUMでスポーツ関連脳震盪を診断
Unique diagnostic signatures of concussion in the saliva of male athletes: the Study of Concussion in Rugby Union through MicroRNAs (SCRUM)
背景
スポーツ関連脳震盪を唾液で「遺伝子」診断できる、という報告が現れた。英University of BirminghamのDi Pietroら(SCRUM)によるもので、唾液中の小分子非コードRNA(sncRNAs)を計測する。同国男性プロラグビー選手1,028名からシーズン前に唾液サンプルを採取し、その後シーズン中の頭部外傷選手156名を対象として3つの時間点(試合中・試合後・試合36-48時間後)で唾液検査と頭部外傷アセスメント(HIA)を行なった。唾液中sncRNAsを、コントロール(無外傷選手102名、骨格筋系外傷選手66名)と比較した。
結論
HIAにより106名が脳震盪と診断された。脳震盪患者ではsncRNAsの発現が有意に異なり、36-48時間でlet-7f-5pのAUCが最も高かった。さらに、let-7a-5p・miR-143-3p・miR-103a-3p・miR-34b-3p等、14のsncRNAsの複合パネルが、試合直後(AUC:0.91)と36-48時間(AUC:0.94)で脳震盪患者を識別しえた。
評価
スポーツ関連脳震盪診断のゲームチェンジャーとして多くのメディアに採り上げられており、すでにCEマークを取得済という。有望な診断ツールであり、多様な検証がなされよう。

