スポーツ試合での濃厚接触はSARS-CoV-2伝播と関連するか
SARS-CoV-2 transmission during rugby league matches: do players become infected after participating with SARS-CoV-2 positive players?
背景
ラグビー試合でのSARS-CoV-2陽性者との濃厚接触は、ウイルス感染リスクと関連するか。英Leeds Beckett UniversityのJonesらは、SARS-CoV-2陽性選手が参加したSuper Leagueの4試合において、選手とコンタクトが多かった選手達を録画やGPSデータで特定し、試合後14日以内の同ウイルスPCR検査結果をその他選手達と比較・検討した。
結論
全136選手中8名がSARS-CoV-2陽性者、28名が高リスクコンタクト者、その他選手は100名であった。それぞれのタックル平均回数は、各11.4、4.0であり、2m以内になった回数は各10.4・12.5であった。試合後14日以内に高リスクコンタクト者1名とその他選手5名がPCR検査陽性となったが、高リスクコンタクト者27名とその他95名は陰性であった。
評価
著者らの結論は、「ラグビー試合での濃厚接触はSARS-CoV-2の伝播と関連しない」だが、「濃厚接触しないでも感染しうる」という解釈もできる結果である。非常に重要な問題だが、カタールでサッカー選手間の感染率があまり高くなかった(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33589470/)という報告がある一方、 フロリダでの高校レスリングトーナメントでは感染が報告されている( https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33507895/)。


