膝OA症状緩和にはミニマルシューズよりハイサポートシューズ?
The Effect of Flat Flexible Versus Stable Supportive Shoes on Knee Osteoarthritis Symptoms: A Randomized Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Annals of Internal Medicine
年月
January 2021
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開始ページ
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背景

変形性膝関節症(膝OA)の症状緩和に足底が平面で柔軟性の高い(Flat & Flexible: FF)靴は有効か。オーストラリア The University of MelbourneのHinmanらは、同患者161名を対象としてこれを検証するRCTを行なった。患者を、1日最低6時間×6ヶ月間、FF靴、もしくはサポート力が有り安定性が高い(Stable Supportive: SS)靴を着用する2群に割り付けた。一次アウトカムは、6ヶ月での歩行時疼痛と身体機能の変化である。

結論

FF靴はSS靴に対して1次・2次アウトカムとも優越性を示さず、予想に反しSS靴が膝痛を軽減した(NRSスコア平均差1.1)。機能改善に関してはそうでなかったが(WOMACスコア平均差2.3)、膝関連QOLと同側股関節疼痛軽減はSS靴の方が改善が大きく、有害イベント報告数もSS靴の方が少なかった。

評価

著者らの仮説、またミニマルシューズが膝負荷を軽減するとした先行研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27729290/)に反する結果である。なお、この研究は「いつも履いている靴を履き続ける」という対照を設定していない。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy