高齢者の転倒予防にビタミンD3サプリは有害無益
The Effects of Four Doses of Vitamin D Supplements on Falls in Older Adults: A Response-Adaptive, Randomized Clinical Trial
背景
高齢者の転倒予防のためにビタミンD3サプリは有効か。Welch Center for PreventionのAppelらは、これを検証する2ステージベイジアンRCTを行った。患者は、血中の25-ヒドロキシビタミンD値が低く転倒リスクの高い70歳以上の高齢者688名で、用量設定ステージでは患者を1日ビタミンD3投与量200 IU(コントロール群)・1000 IU群・2000 IU群・4000 IU群のいずれかに割り付け、転倒予防のノンコントロール最適投与量を設定した。実薬群は最適量、新規参加者はコントロール群と最適投与量群に割り付けた。一次アウトカムは初回転倒発生、もしくは2年以内の死亡発生である。
結論
ビタミンD3最適投与量は1000-IU/dと設定されたが、本試験で一次アウトカム発生に群間差はなかった。有害アウトカムを伴う転倒は、最適設定量群が多い可能性があった(重症転倒 HR:1.87、入院を伴う転倒 HR:2.48)。
評価
効果はないとの見方が強い一方(https://academic.oup.com/ajcn/article/109/1/207/5280801)、これまでの研究結果が一致しないのはビタミンD用量が最適化されていないからではないか、という仮説があり、試みられた大規模検証である。この方向での試みを閉ざす結果であろう。