高齢者転倒予防のための検診・予防プログラムの無効はbeyond reasonable doubt
Screening and Intervention to Prevent Falls and Fractures in Older People
背景
高齢者の転倒骨折予防のために様々な検診・予防プログラムが組まれているが、有効なのか。英University of ExeterのLambら(Prevention of Fall Injury)は、同国63施設の70歳以上高齢者9,803名を対象としてこれを検証する3群間プラグマティッククラスターRCTを行なった。患者を、メールによるアドバイスのみのコントロール群(n=3,223)、メール+転倒予防スクリーニング+ターゲットを定めた運動プログラム群(n=3,223)、メール+転倒予防スクリーニング+ターゲットを定めた多元的転倒予防プログラム群(n=3,301)に割り付けた。1次アウトカムは18ヶ月での転倒発生である。
結論
スクリーニングと転倒予防運動介入は、いずれも一次アウトカム無効であった。
評価
英NHSシステムに依拠して行われた、この問題に関する最大のクラスターRCTである。運動プログラムを受けた人々は筋力・バランスともに向上したが、転倒発生率は低下しなかった。著者らは、よく行われているような運動プログラムが無効であることはbeyond reasonable doubtである、と衝撃的な結論を述べている。