高齢者転倒予防のための検診・予防プログラムの無効はbeyond reasonable doubt
Screening and Intervention to Prevent Falls and Fractures in Older People

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2020
383
開始ページ
1848

背景

高齢者の転倒骨折予防のために様々な検診・予防プログラムが組まれているが、有効なのか。英University of ExeterのLambら(Prevention of Fall Injury)は、同国63施設の70歳以上高齢者9,803名を対象としてこれを検証する3群間プラグマティッククラスターRCTを行なった。患者を、メールによるアドバイスのみのコントロール群(n=3,223)、メール+転倒予防スクリーニング+ターゲットを定めた運動プログラム群(n=3,223)、メール+転倒予防スクリーニング+ターゲットを定めた多元的転倒予防プログラム群(n=3,301)に割り付けた。1次アウトカムは18ヶ月での転倒発生である。

結論

スクリーニングと転倒予防運動介入は、いずれも一次アウトカム無効であった。

評価

英NHSシステムに依拠して行われた、この問題に関する最大のクラスターRCTである。運動プログラムを受けた人々は筋力・バランスともに向上したが、転倒発生率は低下しなかった。著者らは、よく行われているような運動プログラムが無効であることはbeyond reasonable doubtである、と衝撃的な結論を述べている。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy