慢性腰痛への電気鍼治療のシャム対照RCT、結果は「微妙」
Effect of Electroacupuncture vs Sham Treatment on Change in Pain Severity Among Adults With Chronic Low Back Pain: A Randomized Clinical Trial
背景
慢性腰痛に対する鍼治療の効果に関して研究が多いが、シャム対照RCTは少ない。Stanford UniversityのKongらは、症状が6ヶ月以上継続している神経根障害の無い疼痛度4以上の慢性腰痛患者121名を対象として、電気鍼治療の有効性を検証するDBRCTを行なった。患者を6週×週2回の電気鍼療法群とシャム治療群に割り付けた。一次アウトカムは、ベースラインから治療完了2週間後のNIH PROMIS疼痛強度変化である。
結論
電気鍼療法は一次アウトカム無効であった。しかし、二次アウトカム(腰痛による日常生活の障害度の改善)には有意差を示した(−2.77 vs. −0.67、差:−2.11)。ベースライン要因としての高い対処能力は大きなRMDQ改善と、白人であることはPROMISスコア・RMDQの最悪アウトカムと関連した。
評価
シャム対照DBRCTとしては最大級とみられるNCCIH支援研究だが、「無効でもない」という微妙な結論に達した。有効性には多要因が関わるようである。


