RA薬のRCTで、プラセボは「客観指標」も改善する
Assessment of Placebo Response in Objective and Subjective Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trials
背景
関節リウマチ(RA)に関するRCTにおけるプラセボ効果の問題は重要である。Brigham and Women’s HospitalのVollertらは、5つのプラセボコントロールDBRCTにおいてプラセボ群に割り付けられたRA関患者788名の客観指標と主観症状の関連を検討した。一次アウトカムは、プラセボ注射を受けた患者の、ベースライン後12・24週での痛み強度指標Visual Analogue Scale(VAS)と CRP値・ESR値の変化である。
結論
患者報告疼痛強度(12週:−14 mm、24週:−20 mm)、CRP値(12週:−0.51 mg/dL、24週:−1.16 mg/dL)、ESR値(12週:−0.51 mg/dL、24週:−1.16 mg/dL)とも有意な低下がみられ、これは主観的アウトカム変化と関わらなかった。
評価
「プラセボ効果は純粋に心理的」という基本仮説を否定し、プラセボの生理効果の存在を示す重要で興味深い研究である。著者らハーバードグループは、疼痛へのプラセボ効果に関するレビューも提出しており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32690477/)、重要分野を開拓している。