朝方のブルーライト照射で軽度外傷性脳損傷症状を軽減?
A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of blue wavelength light exposure on sleep and recovery of brain structure, function, and cognition following mild traumatic brain injury

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Neurobiology of Disease
年月
February 2020
134
開始ページ
104679

背景

朝方のブルーライト照射が軽度外傷性脳損傷(mTBI)患者の睡眠を改善した、という報告がある。University of ArizonaのKillgoreらは、睡眠障害を有するmTBI発症後18ヶ月以内の成人患者32名を対象として、ブルーライト照射の効果を更に検証するDBRCTを行なった。患者を30分間のブルーライト照射群(peak λ=469nm)とプラセボ光照射群(peak λ=578nm)に割り付け、6週間介入した。評価アウトカムは、神経認知能・脳機能イメージング・睡眠の質変化である。

結論

プラセボと比較して、朝方のブルーライト照射介入は睡眠時間、日中眠気、実行機能を改善し、視床後部ボリュームの増加、視床皮質系の機能的結合性と軸索経路の統合性増とも関連した。

評価

ブルーライト照射で睡眠-覚醒サイクルに働きかけて認知-脳機能を活性化する、という考え方(https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1545968313508472)の応用である。著者らは、mTBI患者の鬱軽減等にも有効である可能性があるともしており、更なる検証に値する仮説である。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy