朝方のブルーライト照射で軽度外傷性脳損傷症状を軽減?
A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of blue wavelength light exposure on sleep and recovery of brain structure, function, and cognition following mild traumatic brain injury
背景
朝方のブルーライト照射が軽度外傷性脳損傷(mTBI)患者の睡眠を改善した、という報告がある。University of ArizonaのKillgoreらは、睡眠障害を有するmTBI発症後18ヶ月以内の成人患者32名を対象として、ブルーライト照射の効果を更に検証するDBRCTを行なった。患者を30分間のブルーライト照射群(peak λ=469nm)とプラセボ光照射群(peak λ=578nm)に割り付け、6週間介入した。評価アウトカムは、神経認知能・脳機能イメージング・睡眠の質変化である。
結論
プラセボと比較して、朝方のブルーライト照射介入は睡眠時間、日中眠気、実行機能を改善し、視床後部ボリュームの増加、視床皮質系の機能的結合性と軸索経路の統合性増とも関連した。
評価
ブルーライト照射で睡眠-覚醒サイクルに働きかけて認知-脳機能を活性化する、という考え方(https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1545968313508472)の応用である。著者らは、mTBI患者の鬱軽減等にも有効である可能性があるともしており、更なる検証に値する仮説である。


