サッカー選手のヘディングによる脳機能低下にApoEε4が関連?
Associations of Apolipoprotein E ε4 Genotype and Ball Heading With Verbal Memory in Amateur Soccer Players

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
JAMA Neurology
年月
January 2020
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開始ページ
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背景

サッカーでのボールヘディングが後年の認知症発症リスクであることを示唆するデータがある。Albert Einstein College of MedicineのLiptonらは、5年以上の競技歴があり、毎年6ヶ月以上競技参加をするアマチュアサッカー選手352名を対象として、12ヶ月間のヘディング曝露の言語記憶障害リスクとApoEε4発現の間の関連を検討する前向横断コホート研究を行なった。選手は3~6ヶ月毎にHeadCount 12-Month Questionnaireにより12ヶ月間のヘディング頻度を報告し、International Shopping List Delayed Recall task(ISRL)により言語記憶を評価した。

結論

ヘディング高頻度は言語記憶低下と関連し、またApoEε4発現と言語記憶には関連はみられなかった。しかし、APOEε4陽性選手は陰性選手と比べ、低言語能と高ヘディング曝露 vs. 低曝露との関連は4倍、高ヘディング曝露 vs. 中等度曝露との関連は8.5倍だった。

評価

サッカー選手におけるヘディング曝露の脳機能低下リスクにはApoEε4発現が関連する、とした注目すべき発端研究である。追試により確認されれば、ハイリスク選手のスクリーニングに応用されうる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy