脳震盪をバイオマーカーで診断
Association of Blood Biomarkers With Acute Sport-Related Concussion in Collegiate Athletes: Findings From the NCAA and Department of Defense CARE Consortium
背景
バイオマーカーによるスポーツ脳震盪(SRC)診断は可能か。Medical College of WisconsinのMcCreaら(CARE)は、大学運動選手504名(脳震盪があった選手264名、コンタクトスポーツを行う脳震盪無しコントロール138名、非コンタクトスポーツを行う脳震盪無しコントロール102名)を対象として、これを検討する多施設前向ケースコントロール研究を行なった。一次アウトカムは、血中GFAP(Glial fibrillary acidic protein)・UCHL1(Ubiquitin Carboxy-Terminal Hydrolase L1)・NFL(ニューロフィラメント軽鎖)・タウタンパク値である。
結論
SRCと急性期GFAP・UCH-L1・タウタンパク値上昇の関連を認めた。AUCはGFAP+UCH-L1で0.71、全4バイオマーカーで0.72だった。さらに、損傷後急性期において、意識の喪失や外傷後健忘があった選手では、有意なGFAP上昇があった(平均差0.583 pg/mL)。
評価
このテーマに関する最大規模の研究で、これら指標の実用化の路が開かれた。本研究参加者は80%以上が男性であり、この面でのデータ拡充等多様な追試も必要となった。