運動後のアイスバスは素人ランナーには逆効果
Postexercise cooling impairs muscle protein synthesis rates in recreational athletes

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Journal of Physiology
年月
December 2019
Online first
開始ページ
Online first

背景

運動後のアイスバス(氷風呂)はリカバリーに有効か。オランダMaastricht Universityのvan Loonらは、健康青年男性12名を対象としてこれを検討する前向研究を行なった。被験者は2週間、筋力トレーニング後に片足を8℃の冷水(CWI)、もう一方の足を30℃の常温水(CON)に20分間浸し、その後ミルクプロテイン飲料の摂取を行った。研究開始・終了時点での唾液・血液検査及び両足の筋生検を比較し、アイスバスと筋線維タンパク合成率の短期・長期関連を検討した。

結論

摂取プロテイン由来の筋繊維タンパクはCWIがCONより有意に低く(0.016 vs. 0.021 mPE)、運動後の筋繊維タンパク合成率もCWIの方がCONより低かった(L-ロイシン:0.058 vs. 0.072%・h^-1、Lフェニルアラニン:0.042 vs. 0.053%・h^-1)。2週間の一日筋繊維タンパク合成率もCWIの方が有意に低かった(1.48 vs. 1.67%・d^-1)。

評価

プロの間で広く行われている手法だが、素人ランナーでは「逆効果」という結果になった。例数は少ないが両足を筋生検して実測しており、エビデンスとして弱くない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy