大うつ病性障害にはヨガ+呼吸法介入?
Psychological Function, Iyengar Yoga, and Coherent Breathing: A Randomized Controlled Dosing Study
背景
大うつ病性障害(MDD)へのヨガの有効性が示唆されており、用量をふくめた確認が必要である。Boston UniversityのStreeterらは、同患者32名を対象として、アイアンガーヨガとコヒーレンス呼吸法を併せた介入の最適量を検討するRCTを行った。患者を、週3回90分ヨガ教室と週4回の30分自主ウォーキングセッションの高用量群(HDG)と週2回90分ヨガ教室と週2回の30分自主的ウォーキングセッションの低用量群(LDG)に12週間割り付けた。有効性評価にはPositivity Self-Test・Spielberger State Anxiety Inventory・Patient Health Questionnaire-9・Pittsburgh Sleep Quality Index・Exercise-induced Feeling Inventory尺度を用いた(不安感や睡眠状態、精神的状態など)。
結論
両群で有意な改善が全アウトカムで確認された。HDG群のほうが全尺度で改善が大きかったが、群間差は有意でなかった。
評価
サンプル数は小さく介入期間も短いが、「MDDにヨガが有効」という形でメディアにも多く取り上げられている。著者らはヨガは自殺念慮にも有効であるとする論文も発表しており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29609926)、薬物治療と直接比較するRCTが必要となろう。