入院中のPTからのアドバイスは高齢患者に有益か
Physiotherapist advice to older inpatients about the importance of staying physically active during hospitalisation reduces sedentary time, increases daily steps and preserves mobility: a randomised trial
背景
理学療法士からのアドバイスは高齢入院患者に有益か。ブラジルUniversidade de Sao PauloのLunardiらは、60歳以上の大学病院入院患者68名を対象としてこれを検証するRCTを行なった。患者を、標準ケアのみのコントロール群と入院中の活動の重要性や入院による身体への有害作用に関しての資料やアドバイスを受ける介入群に割付け、さらに入院期間中の活動の障害に関してアンケートを行った。評価アウトカムは、活動量・モビリティ・筋力・入院期間の改善である。
結論
コントロール群と比較して介入群は活動量(活動量計:平均グループ間差974歩/日)・モビリティ(相対リスク0.21)が改善したが、筋力・入院期間・合併症発生に関しては有意差がなかった。患者が報告した入院中の活動への主な障碍は、呼吸困難・スペース不足・感染症発生の不安であった。
評価
PTのアドバイスは役に立つかというテーマで、先行例がありそうだが見当たらず、初検証とみられる。短期的活動性に効果があるが入院期間は短縮せず、長期効果は不明、ということになる。