軽度認知症患者への有酸素運動介入
Exercise Training in Amnestic Mild Cognitive Impairment: A One-Year Randomized Controlled Trial
背景
記憶障害のある軽度認知症(aMCI)患者への有酸素運動(AET)介入は、神経認知機能低下防止に有効か。University of TexasのZhangらは、aMCI患者70名を対象としてこれを検証するRCTを行なった。患者は、12ヶ月間AETを行う介入群(25-30分を週3回、強度75-80%)とストレッチを行うアクティブコントロール群(5-30分を週3回、強度50%以下)に割り付けた。一次アウトカムは、12ヶ月後の言語記憶評価テスト(CVLT-II)と実行機能評価テスト(D-KEFS)スコアである。また脳容量とAβ沈着もMRI検査した。
結論
両群とも記憶能力・実行機能は改善を示したが、群間差は認められず、両群ともで継時的な脳萎縮とAβ沈着が観察された。SATと比べてAETでは、心肺機能が有意に改善し、アミロイド陽性患者においてはAETは海馬萎縮の進行を抑制した。
評価
一次アウトカム効果に有意差はなかったが二次アウトカムに差があったという結果で、著者らは更に研究を進めるとしている。2015年のCochraneレビューでは、非認知症老人の認知機能低下防止に対する有酸素運動の有効性は示されていない(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25900537)。


