軽度認知症患者への有酸素運動介入
Exercise Training in Amnestic Mild Cognitive Impairment: A One-Year Randomized Controlled Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Journal of Alzheimer's Disease
年月
September 2019
71
開始ページ
421

背景

記憶障害のある軽度認知症(aMCI)患者への有酸素運動(AET)介入は、神経認知機能低下防止に有効か。University of TexasのZhangらは、aMCI患者70名を対象としてこれを検証するRCTを行なった。患者は、12ヶ月間AETを行う介入群(25-30分を週3回、強度75-80%)とストレッチを行うアクティブコントロール群(5-30分を週3回、強度50%以下)に割り付けた。一次アウトカムは、12ヶ月後の言語記憶評価テスト(CVLT-II)と実行機能評価テスト(D-KEFS)スコアである。また脳容量とAβ沈着もMRI検査した。

結論

両群とも記憶能力・実行機能は改善を示したが、群間差は認められず、両群ともで継時的な脳萎縮とAβ沈着が観察された。SATと比べてAETでは、心肺機能が有意に改善し、アミロイド陽性患者においてはAETは海馬萎縮の進行を抑制した。

評価

一次アウトカム効果に有意差はなかったが二次アウトカムに差があったという結果で、著者らは更に研究を進めるとしている。2015年のCochraneレビューでは、非認知症老人の認知機能低下防止に対する有酸素運動の有効性は示されていない(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25900537)。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy