尿失禁スリング手術への行動介入・骨盤底筋訓練追加は無益
Effect of Behavioral and Pelvic Floor Muscle Therapy Combined With Surgery vs Surgery Alone on Incontinence Symptoms Among Women With Mixed Urinary Incontinence: The ESTEEM Randomized Clinical Trial
背景
混合性尿失禁症女性患者に中部尿道スリング手術が行われることがあるが、術前の行動介入・骨盤底筋訓練は手術アウトカムを改善するか。Brown UniversityのSungら(ESTEEM)は、480名の患者を対象としてこれを検証するRCTを行なった(対照:手術のみ)。一次アウトカムは、ベースライン12ヶ月後のUrogenital Distress Inventory(UDI)評価による失禁症状の変化である。
結論
コントロール群・介入群ともUDIスコアは有意に低下し、群間有意差はなかった。有害事象は介入群で8.7%、対照群で11.8%発生した。
評価
単独では一応有益とされている手法である。手術だけでは切迫性失禁要素が増悪する可能性があるとして併用を提案されたが、手術アウトカムへのインパクトは示すことができなかった。「回数が少ないのでは」等の議論はありえる。