股関節骨折高齢者への自宅ベース多種目運動療法
Effect of a Multicomponent Home-Based Physical Therapy Intervention on Ambulation After Hip Fracture in Older Adults: The CAP Randomized Clinical Trial
背景
股関節骨折後高齢者のリハビリは困難で、最適な方法が模索されている。University of MarylandのMagazinerら(CAP)は、軽度外傷性股関節骨折による歩行困難高齢者210名(平均年齢80.8歳/女性76.7%)を対象として、自宅ベースの多コンポ運動療法の有益性を検証するRCTを行なった。試験群では有酸素運動や筋力・バランス・機能トレーニングを行い、対照群では経皮末梢神経電気刺激療法や可動域改善運動を行なった。一次アウトカムは、無作為化後16週での、6分間300m以上の歩行能達成である。
結論
両群とも一次アウトカムが改善して群間有意差はなかった。試験群で16.2%、対照群で14.3%に有害事象報告があった。
評価
重要な問題に対し、自宅ベースの積極運動の有益性を検証した初めての大規模試験だが、積極非運動治療を対照として有意差を出すことができなかった。いずれの方法でも地域で普通に歩けるようになったのは約20%であった、という。