運動不足の高齢者でもレジスタンス運動後筋肉はアスリート同様に増加する
Comparable Rates of Integrated Myofibrillar Protein Synthesis Between Endurance-Trained Master Athletes and Untrained Older Individuals
背景
運動経験の少ない高齢者が運動を始めてもアスリートと同様に筋肉量は増加するか。英University of BirminghamのBreenらは、年齢マッチングを行った高齢アスリート7名(MA)と運動無経験の健常高齢者8名(OC)を対象として、安静時・レジスタンス運動前後計48時間の筋線維タンパク質合成(iMyoPS)を比較する並行前向研究を行なった。
結論
OCとMAの安静時のiMyoPS率に差は無く、両群ともレジスタンス運動後には同様に有意にiMyoPSが増加した。レジスタンス運動1時間後、AktThr308のリン酸化がOCでのみ増加したが、その他の筋肉内シグナリングに群間差はどの時点でも認められなかった。
評価
加齢により筋の反応性タンパク合成は低減し、長期トレーニングによりこの反応活性は維持される、という仮説を筋生検による実測で確認しようとしたものだが、著者らにとって「驚くべきことに」、反対結果が出た。高齢者の運動開始を後押しする興味深い発端研究となった。