強化リハビリテーション(EMR)の効果を大規模検証
Effect of Enhanced Medical Rehabilitation on Functional Recovery in Older Adults Receiving Skilled Nursing Care After Acute Rehabilitation: A Randomized Clinical Trial
背景
強化リハビリテーション(Enhanced medical rehabilitation: EMR)は、高齢者の機能回復を改善するか。Washington University in St LouisのLenzeらはこれを検討するため、高度看護施設(SNF)入院中高齢患者229名を対象とするRCTを行なった。患者を、特別訓練を受けたセラピストからのEMRを受ける介入群と標準的リハビリテーションを受けるコントロール群に割り付けた。一次アウトカムは、SNF入院から退院までのBarthel Index評価による日常活動やモビリティの変化である。
結論
EMR群はコントロールと比べ基本的生活動作が改善した(Barthel Indexスコア増加平均:35点 vs. 28点)。入院期間の差はなく(平均23.5日)、長期的効果に関しての有効性も示されなかった。
評価
EMRは、患者モチベーションを高めるための心理学的なアプローチも重要視し、看護師が提供できるようなフォーマットに落とし込んだものである。著者らが提唱する新しい手法で、これは初めての大規模臨床試験である。著者らは「有効」と結論しているが、統計p値は0.07であり、また二次アウトカム効果はなかった。微妙な結果である。


